映画のプロデューサーの知り合いのかたからのご依頼で、数度に渡り舞台挨拶と、記者会見の着物選びから、お手伝いさせていただきました。古巣である着物のやまと本社に着物選びに伺った時に、近いですよ。本社は、電車から見えるからお任せあれ!とか、言っていたら、迷子に。周りは巨大なビルだらけ。あまりの新宿駅の様変わりに目が点。新宿界隈を拠点に遊んでいたのは、四半世紀前のことで。(笑)浦島太郎状態でした。いやはや。年をとるわけだ。

懐かしい本社は、周りがどんなに、巨大化しても、安定したぶれない数階だて。25年前研修で行った雰囲気そのままでした。都心の一等地で、変わらないもの。緊張と同時にほっとしました。こうあって欲しい、そのままに残されているのは、とても嬉しいことでした。

そのときのお二人の着物は、雪女の杉野さんに紺の、辻が花。山口まゆちゃんは、赤い振り袖。対比させる形に。並んだ時に引き立て合う関係。私は大切なことだと思います。若さと愛らしさを強調した、娘の振り袖と、雪女は、母であり、主演女優、監督、そういう貫禄と、妖艶さを併せ持つ着物。お二人の着こなしは流石としか、いいようがなく。スッとはおれば、自分の世界にしてしまう勘のよさ。流石は女優さんです。

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一方春の、初日舞台挨拶は、柔らかく春めいた色彩で、二人を近づけた感じに。近づけて、刺繍の半襟を娘の梅という名にちなんで梅柄のものを付けました。ええ!遠目には余り見えませんね!でも、そういうところを、楽しんじゃうのが着物です。

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外国人記者クラブの記者会見では、青木さんと二人で流暢な英語で話されていました。上半身しかみえませんが、杉野さんは淡い辻が花。そして、青木さんのネクタイは、和柄の織物で、映画のなかのみならず、実際にも着物姿の杉野さんに寄り添うような印象を受けました。共に並んだ時にお互いに引き立て合う関係。映画の世界を垣間見ること。俳優さんの舞台挨拶の着物を見るのは、なかなか楽しみなことだと思います。

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