最近、袴のブームと共に簡易袴が多く出回るようになったかなと思います。小学生さんの袴のご要望が多く、時間も早いため、なかなか着付師が足りない状況があります。お母様でも着せれるという便利なものですが、長襦袢が省略されていたり、生地も縫製も駄目な場合も多く。これで構わないという場合はいいのですが、袴の撮影などの提供する側の方は、知らないといけないことが多くあります。そもそも、袴姿は、コスプレと違うもので式典に相応しいかと考える必要がある為です。

私にご相談いただく方は、お手持ちの着物に袴を合わせる方が多く、勿論長い着物を短く端折って着せていきます。小学生さんは体が薄く、補整の工夫も必要ですが、端折ったところが厚くなるため、実は帯が止まりやすく、落ちなくてすむ利点があります。非常に合理性があります。袴は毎年ある分は、誰かに貸し出しています。学校全体が親戚のように子供が仲が良いため、よろこんで、提供してくれています。費用も、そんなに掛からない。人間関係を繋いでいく役割があるのが、着物なのですから。

暖かく近隣の人々に見守られて子供も成長していく。着付師は、それをそっと後押しをしていくのが仕事になります。表に出るものではない、声高に着物を推奨する役割でもないと考えてきました。でも、伝えなければ行けないことも、確かにあると考えています。本質的なものを見誤ってしまわないように、慎重にしっかりとお伝えすることも、していこうと思います。