友人のお子さんが、紬ちゃんというお名前でして。お母様に、聞いたところ、皆の心を紡いで繋げてほしいと願われて名付けたとのこと。私、そういえば、紬ちゃんとつけたいなー、と考えたことがありました。可愛いお名前です。

紬は、養蚕のされているところならば、それこそあちこちで作られていました。飯田紬、松本紬、上田紬、紅花紬、有名どころでは、結城紬などなど。大島は正確にはつむぎ糸を使わないので。絣なんですね。大島紬と呼ぶ習わしがあるのは、かつては、つむぎ糸を使っていたらしいのでその名残でしょうか。かつては屑繭から取られた糸から作った自家用のための着物。

お湯で繭をほどいて、真綿状にして、そこから糸を紡いでいく。一本の糸に紡いでいき、絣糸を作り、機にかけ根気強く織り上げていく。織り上げられたばかりの紬は、硬く馴染みが悪いが、着ているうちに柔らかく温かく身を包む。何度も洗われるうちに、やがて紬は、元の真綿に戻るという。揉まれて、弱るのではなく、しなやかな強さと、温かさと優しさを増すのです。

紬は人の一生にも似ている気がしていて。義母にも、母にもそんなことを話したことがありました。

私の晩年の母は、いつも、菩薩のように微笑んでいました。童女のようでもあった。

話したいこと沢山ありましたが、長いこと母の言葉を聞くのは叶いませんでした。

その声を聞きたくて、着物にもう一度向き合いました。不思議なもので、そうしているうちに、お仲間が増えた。素敵な方々に会えました。今はゴワゴワで、でこぼこでも、飽きずに人生を着ていれば、いつか柔らかい、優しい人間になれるのかしら。いや、まだまだです。(笑)