東京着物ショーの会場で、置いてあったチラシを手に取ると、浴衣染め体験の案内が!雪花絞り!?これは、いかねばならぬと。山口さんとワクワクと申し込みました。

うっかりとしたのですが、開催場所の結城は果てしなく遠い。当日は、時間に余裕見ていきましたが、渋滞にすっかりはまり、大遅刻。のんきな二人の珍道中でしたが、遅刻したにも関わらず、温かく迎えて下さった奥順、つむぎの館のスタッフの皆様に、心より御礼申し上げます。

6時間近く掛けて!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚到着したつむぎの館でまずは、お弁当をいただきました。

そして。午前の部を、ぎゅっと短縮していれこんで、濃密な講習がはじまりました。まずは手拭いを、三角おりすることから。丁寧に畳んだら、三角と同寸のプラスチック板の間に挟み込み、輪ゴムで、三辺均等に圧がかかるように止めていきます。一反の着物になると、膨大な布になるため、先生があらかじめ用意してくださいました。

三角の頂点部分を、それぞれ染料の中にいれ、染料を浸透させます。二色、三色浸ける時間を変えれば、浸透する面積が変わるため違う雰囲気になります。布を広げていくと、美しい花模様が現れます。雪花とはよく言い表したもので、2つと同じ花は現れず、一瞬のタイミングで、花の大きさ、表情は変わっていきます。  そして、今回は、巻きはじめと巻き終わりが、すっかり違う色に変わる染めを教えて頂いたのです。まさに、マジックといったところで、私には最後まで、どのように変化するのか、理解出来ないままでした。

花の命も、雪の命も儚く、そこに留めるのは難しい。その、命を留め、愛でるために、色となり、紋様となり、私たちは、慈しんできた。移ろいゆく花の様子を一反の反物に表現してみせた、染色職人の稲葉藤五郎先生の技には、驚嘆するばかりです。

真ん中だけ、違う色にして、巻き終わりと巻きはじめを同じ色に出来ないかしら、という声に対して、にっこり笑い、俺はそれは、少し違うと思うんだよ。と、おっしゃった。普段は結城の糸の草木染めを本職される稲葉先生。

いろは移ろいゆくもの、されど、元にはもどらじ。偶然にも、私の反物の中程には、向日葵の花が咲き、元気にゆれていました。

今ある花を大切にして、時が移ろえば、また違う花を咲かせればいい。そんなことを教えて頂いた気がします。素晴らしい1日でした。

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