「お酒を作るにあたって、数値化を図ろうとすると、物凄く複雑な数値の取り合わせになったんです。どうしても、デジタル化できない部分があって、その部分があるからこそ、会心の出来のお酒が出来るんだと思います。」

瀬戸酒造の社長さんは、お酒の様子が見れるようになっているガラスの窓から、酒樽を見つめながら言いました。

事業とするには、効率化や、合理化を図らなければならないと思うのですが、画一化が、進むとどうしても、感動を及ぼすような仕事が出来なくなる。大衆の好みに合わせた設計になっていき、つまらないものが量産されるようになっていき、こんなもんだよね。という認識が、蔓延して本物が駆逐されていく。日本酒の世界も着物の世界もなんて似ているんだろう。

小さな酒造が、再生して新たな一歩を踏み出した。これから、売り出されるという新酒は、爽やかなラムネのような味がしました。豊かな風と水と大地から生まれ、再生された酒の行く末を、仲間と共に見守っていきたいと思います。