2014年11月28日追憶の彼方にある着物姿
書くべきかまよいましたが、書かせていただきます。
実は、ここ数日知った大切な友人の、訃報にただただ、呆然としていたのですが、様々なことが思い出されてなりませんでした。
10年以上前に、わずか数ヶ月のお付き合いで、一生の友達ができたと、そう、一生、付き合えるのだと思い込んでいましたが、あまりにも早く別れがきました。
どんなときも、優しく、しなやかな強さのある女性でしたが、彼女の着物姿が忘れられません。淡い色の訪問着で、美しかったことを覚えています。
若い時にはなかった女性としての充実した人生が、そのまま美しさになると、教えてくれた初めての人でした。考えてみれば、乳児のいるわずかな数ヶ月の間に、着物を着る機会があり、依頼してくださったこと、これもご縁と言えましょうか。
また、ある方は、結婚式で、やはり訪問着をきていただいたのですが、同席した会社の元同僚のかたと、写真をとり、スナップ写真を送って差し上げたそうですが、そのわずか、一月あまりで、ご病気で同僚の方は亡くなったといいます。亡くなったかたは、お見舞いにきたかたに嬉しそうに、写真を見せていらしたそうです。彼女はそんな風に自分の着物姿を喜んでくれて、嬉しかった。と、仰っていました。
着物は、自分の為だけに装うのではないなと思っていますが、時に追憶のなかの着物姿は、迷い、苦しむ時に、一筋の光となって、生きる道を指し示してくれるような気がします。