昔、日本のおしゃれ展~池田重子コレクションというものを見て、あまりの美しさに感動して時をたつのも忘れてみいられていましたが、今回は横浜SOGOで、横浜スタイル展があると知り、新春着物着てお出かけいたしました。着物好きの方と二人、一つ一つ眺めながら、ため息の出るような美しい取り合わせにすっかり引き込まれてしまいました。

着物の面白さは、見る人の年代や立場、ものの考え方によって、万華鏡のように変化していくことなのかもしれません。若いときは、衝撃的な、贅を尽くした着物に目を奪われ、お金持ちって違うなあ。これをコレクションした人はさぞかしお金持ちなんだろうなあ。とか考えていました。(笑) 

今はこの方が居なければ、古い着物はアンティークと、もてはやされることは、なかったかもしれない。このように集めることができたのは、どんな環境の人だったんだろう。集めることになったきっかけはなんだったのだろう。なんて、考えます。そして、いままでは、気にならなかったような、彫金の帯留めに釘付けになったりしていました。

後で本を読んで、知ったのですが池田さんが、コレクションをするようになったきっかけは、まさに帯留めだったそうで。当時離婚し、家でも買うように渡された慰謝料で、オークションで出た帯留めを買い求めたそうです。それが、コレクションの初めだったとのことで。家は仕事をすれば、得ることができるが、この帯留めは、今手にいれねば入らぬと。なんとも、豪快な話です。

しかし、それにしても、この保存状態は素晴らしい。新たなコレクションとして、次々と古い着物が状態よく見つかるわけでなしと思っていたら、古い着物と新しいものを取り合わせた着物も発表されていて、それもなんの違和感もなく合わせてありました。

敷居の高いコレクションではありますが、写真館で家族で池田コレクションを着用して撮すことができたり、身長のある方にも着ていただけるようにしてあったり、店に置いてある着物や帯も買い求めにくいような、高い値段はついていません。美術品や骨董品を愛でるような感覚ではなく、あくまでも、着る人を忘れていない。着物を着ていた人の息づかいや、感じ方、体温まで感じさせる見事なコーディネート。

池田重子さんはおなくなりになり、娘さんが後をつがれていますが、変わらず、着物の取り合わせの美しさを私たちに伝えて下さっていること、とても嬉しく有り難く思っています。