最もポピュラーな草木染めは、藍染ですが、この藍染には、5000年以上前から染められています。古代エジプトのミイラをくるんでいた布が最古の藍染として残されています。

世界中で染められていた藍は、藍科の植物から 染められているわけではなく、藍の染料の元である、インディゴを含む植物からから染められます。

だから、キク科であったり、マメ科であったり、各国の藍はイロイロ。

日本の藍はタデ科の植物から主にそめられました。さて、この度ご縁をいただきまして、藍畑を持つ先生に御指南いただき、

藍の生葉染めで、スカーフをそめました。

通常藍は、葉を煮出すだけでは、色は出ず、葉っぱを発酵させ、スクモと言われる、藍の元を作って、それを藍甕で手間暇掛けてそだてにゃー、そまりません。

ところが、これは、火も使わなければ媒染剤もいりません。

生の葉っぱに水を加えてミキサーでガーーーーと約一分。それを濾して、

布を入れると、緑に染まります。

それを水中で軽くもんで、引き上げると、美しい澄んだ青い色にそまるのです。

不思議なことに、時間をすこしおいたり、素材によって色が全然違うのです。そして、この染料染まるのはたったの30分。

命の短い染料であり、新鮮な葉がなければ染まりません。

そして、木綿には全く染まらず、色は 何度重ねて染めても、濃い色には染まらないのです。だから、藍染は伝統的には、藍建てという方法が取られました。いやはやこれが恐ろしい手間暇がかかるのです。

藍を育て、すくもを作り、全国に出荷できるようにした先人たちの知恵には、敬服するばかりです。そのすくもから、藍を建てれば、藍の華が甕の中に咲く。全ての工程は、吉日を選んで、行われます。人知の及ばぬ神の成せる技であり、自然界の命をおし頂く敬虔な心が、美しい染めとなるのでしょう。甕の中に咲いた華は、何度も布を染めるうちにやがて、小さくなり、ついには染まらなくなりますが、その藍の命数が尽きる寸前、ごく薄い水色は瓶覗と呼ばれます。瓶覗とは、水瓶に張った水の色のこと。

 

典雅な名を付け、最後まで慈しんだ命の色。藍の色は、50種以上を数えます。

私たち日本人の一番身近にあった藍の魅力を

教えていただいた講座でした。

大藪先生、本当に有難うございました。

 愛