昨年の東京国際映画祭に出品された、映画雪女の舞台挨拶の着付けをさせていただきました。監督であり、主演女優である杉野希妃さん、雪女の娘役の山口まゆちゃん、映画のなかから、抜け出してきたかのような、お二人の美しさにそれは感動いたしました。希妃さんの着物は辻が花の着物でしたが、この着物は、雪女の世界を表現したような着物でした。深い紺地に、舞い散る雪のように配置された辻が花。辻か花は、安土桃山時代に生まれ、江戸の初期にはこつぜんと姿を消した、幻といわれる染め。どこから生まれ、消えていったのか。誰も知るものはいない。残された少ない資料から、久保田一竹氏が昭和の時代に蘇らせた。過去の姿ではなく、現代の姿でよみがえったのが、辻が花。この世のものではない幻想の花は、時代を超えて今でも人の心を引き付けてやまないのです。雪女の物語のように。

熱心な質疑応答が、映画観賞後に交わされ、杉野さんの映画にかける熱い思いが、会場中を包みこみました。映画は、一方通行のものではなく、観客と製作者一体となって、作り上げるもの。そんなことを、教えていただいた気がいたしました。着物の世界と同じですね。

映画は、3月4日から、横浜と有楽町で公開予定!今から楽しみです!

 

 

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