6年くらい前に、ホームページを作りませんかと、若いお兄さん二人が営業に来ました。

当時、ホームページもないと、作りませんかという電話が非常に多くて彼らも、同じような営業だと思ったのですが、ただひとつ、違ったことは、彼らは3度もきてくれて、私の話を聞いて凄く素敵なホームページの雛形を作ってくれたのです。

当時は今のように、鎌倉のレンタル店が乱立していたわけではなく、一店舗くらいの話で。だから、ちょっと高級なレンタル、しかも、タンスの着物の共有引き出しという独特なスタイルを考えていました。そのままを、話したら彼らは雛形を作って来たのです。結局その時は、私が妄想に近い直ぐ現実にならないことを言ったため、その時はお願いしませんでした。

一年後、またホームページを作りませんかという営業の電話があり、適当にあしらってしまおうとしていたら、ふと電話の人が、代わって、「覚えていますか?僕ですよ。清島です。」とおっしゃったのです。

三回も来ていただきながら、お断りしたことが本当に申し訳なく、でも、彼らの作った雛形はずっとパソコンの端っこにおいてありました。とても素敵だったからです。

聞けば、会社を立ち上げたとのこと。名前はGRACEと聞いたら他人の名前と思えず、「貴方たちにたのみたいと思います。ただし、私はあなた方に前の時に、夢を話してしまった。等身大の今やっていることを、ホームページにしていただけますか?」と。

何ヵ月もかけて、担当者のかたが、丁寧に作って頂き、フォローもしていただきました。素敵なホームページができてから、共に歩んでまもなく5年になります。

今は時の流れも変わり、集客方法も、ホームページからというより、競合他社から選ぶスタイルに代わり、一般のかたからのご依頼はさほど多くありません。また、簡単に出来る無料のホームページがあり、ブログや、インスタグラムなどで、お仕事をされているかたが増えました。初期投資をホームページにせず、効果的な、宣伝方法を知る人が勝ち抜いていくような感じに変わったのかなと思います。

でも、だからこそ、ここまでのホームページを持っている人は少なく、それゆえか、企業様からのご依頼が増えた気もします。スタッフをかかえて、提携先も増えて、あたらしいしごとのかたちを考える局面に来ました。

彼らはどうしているのだろうと考えたら、すっきりとしたデザインのホームページになり、海外進出まで、果たし大きく会社がなっていました。時流を読み、デザインのみならず、一緒にワクワクと仕事のありかた考えてくれた、若いお二人のご様子が今でも思い出されます。

おばさんの戯言と思われたかもしれない。でも、面白そうにキラキラと聞いてくれて、新たな事業として提案してくれたあの雛形。鎌倉にレンタル店が乱立している今、同じ土俵には上がらず、違う形で、上質な着物の提供の展開を進めていくつもりです。