着付けをしている同業の友人や先輩方は素敵な人ばかりです。ご自身がとても美しく、この人のようになりたいと、憧れるタイプの人がきっと理想なのでしょうが、私のように黒子のタイプと両方いていいのかも、と最近やっと少し思えるようになりました。基本あまり表に出ないタイプの人間ですが、地元に根差して生きていますと、この人着付けの先生なのよと紹介していただくことも多く。そういう時、必ず適当な格好と、素っぴん近いこともあり。いつもちゃんとしていないとあかーん、はずかしーと反省しています。直んないんですけどね。

昔ある人に、あなたは、人の才を集めて生かす力があるといわれたことがあります。自分自身が凡である故に、才能のある人同士のように衝突することなく、隣にいてもらえる。いつのまにか、そういう人に囲まれていくはずだと。全くその通りでありました。

ある種の勘のようなものも発達していて、こうすれば上手くいく、という道筋が一気に見えることもあり、互いに言葉を、交わしていくとイメージの海で、どんどん膨らませていくようなことも多くあります。苦難に満ちた道を試練だと根性で乗り切る必要はなく、逃げて迂回した先に、存分に思うように進める道があったり。(笑)

私は、必要とされている、責任を果たさなければと思い無理を重ねると、大体体に変調がくる。私の場合は、利き手が動かなくなるときは、かなり危険だよというサイン。

おまじないのように言ってみるといいんだと思います。

「私がいなければ、誰かがきっと役割を果たす。」

寧ろ代わりを果たしてもらえるようにしていくのがいい。それこそ、凡である強みなのです。