2019年11月20日下積みの大切さ
最近つくづく下積みの大切さを思います。着付け教室で、習って資格をとっても仕事にすぐなるわけではなく、下積みが必ず必要な世界だとおもいます。紐とり3年とはよくいったもので、しっかりとそこにいるいる人の動きをみて、学ぶもの。教えられるものではありません。なぜなら、お客様を前にして、指導をしたなら本当は失礼な話で。現場のトップもタイプ様々で、目の前で叱りつける人もいます。黙って脱がしてしまう人も。あるいは仕事を入れない、帰してしまうクライアントもいます。大変厳しい世界で、口利きがないと、入職出来ない場合も多いこの世界。
現場で本当に美しい着付けをして、人に慕われる先生が居ました。佇まいがそういう方は違うのですが、そういう方の元には、教えを乞いにやって来る方が沢山います。看板など、一切なくても。宣伝もしなくても、仕事の依頼は絶えず、それでいて謙虚で、思いやりに溢れている。その心が、仕事に現れている人です。
下積みや、仕事における下準備こそ、きちんとしなければならないと、そういう方は口を揃えておっしゃいます。下積みの仕事をしながら、徐々に覚えていく、10年やっても、20年やっても、新しいものに出会います。
一足とびに飛躍を目指さず、足場をしっかり固めて、そこから踏み出していかなければいけない。焦りや無理は禁物。そのことも、伝えていきたいと思います。
若い頃、よき先輩に会えて、目をかけていただき、教えて頂き、また巡りめぐって、共に仕事をしたり、再び教えを乞える幸せ。
私は人一倍不器用だからこそ、続いた。人より出来たらきっと、出来た気になって終わっていたことでしょう。今でも何も変わりません。歩みを止めず、前を見て進んで行きたいと思います。