かれこれ、山口さんとのおつきあいは、20年。

数年前、青梅の着物のお祭りに二人して出掛けたのですが、その時に彼女が着ていたのがこの着物。様々な着物業に携わる人が出店していたのですが、彼女の着物は絶賛されておりました。あの着物は素敵だったわというと、ん。あのツギハギ着物?との返事。一枚じゃ短かったからねー。とあっさりと返答が。柄の配置が実に絶妙で、本当にステキなのです。古着屋さんで安く二枚手にいれたのよね!と笑う彼女の人柄がつくづく好きだなあ。と思います。古い大島は時を経て艶めき、全体に配されれば、煩く見える女物の総柄を無地に近い男ものが抑える。一見控えめに見えながら、地味なものを好むように見えて、しっかりと光る個性を持ち続ける。かわらない彼女の人柄をよく表す一枚です。

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補整は、綿花やタオルで行いますが、これからお出かけの季節、特にお子様の七五三の着付けの補整は大切になります。着崩れを起こさない事はもとより、苦しくないような工夫。整え方のポイントをお伝えしたり。トイレに行くときのフォローの仕方に至るまで、心配性の叔母さんのように、あれこれあれこれ。事前の打ち合わせから、入念にお話を伺います。何時間くらい着るか、移動手段なども、天候も気になります。送り出したら、終わりではなく帰ってくるまでが仕事なのです。気持ち良く1日を過ごしていただけてこその仕事です。

だから、お子様が、脱ぎたがらない程気に入ってくださったと伺うと、心からほっとします。何時までもこの心配性は治らないのでしょう。自分の事は行き当たりバッタリのズボラなくせしてと、家族には笑われそうです。

 

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