一人で自分ができることだけしているならば、起きなかったことも沢山ありまして。

志を掲げても、思い通りに行くことは、寧ろ少なく。商売ならば、儲かることが、正しいのかもしれませんが、心に反したことをしていけば、いずれは破綻することが見えている。それならば、辞める決断をすることも、必要なことだ。

着物に向きあい、対話をし、残された思いを受けとる。共に歩むパートナーとして、生きていく勇気を持てるように、そっと後押しをするのが、私の仕事。

時が流れれば、着物も、着る人も変わっていくが、上手く折り合いをつけれる知識と、教養、技能、何より人を思う心こそ、人に寄り添う心があってこそ、着物の仕事ができる。

私は、そういう着付け師と共に歩いていきたい。

 

 

ڍׂ͂

いかに辺境の地のホームページとは言え、細く長いこと仕事をしていると、ささやかな素敵なことがありまして、こういった展示会のご案内を頂けるのです。ありがたや。

簡単に、シェアして情報を拡散することができる昨今、こうして封書でお手紙いただけると、何か格別に嬉しいものがあります。また、町田は私の出身でもあり、武相荘には、亡き父母と着物展にいったなあと懐かしく思います。文化人の実用性の高い着物は、きらびやかさとは、無縁の静かで、骨太の着物だった記憶があります。もう、20年以上も前のこと。あの場所は変わらずにあるのだろうか。町の様子は変われども、去りゆく人もあれども、この強い眼差しと共に変わらずあるもの。

懐かしい場所に、姉を誘っていこうかな。

秋の小さな旅を。風の誘いに応えて

 

ڍׂ͂